胃カメラ(胃内視鏡)について

胃カメラ(胃内視鏡)は、胃がん、食道がん、十二指腸がんといった悪性腫瘍などのほかに、胃・十二指腸潰瘍、急性・慢性胃炎、胃・十二指腸ポリープ、逆流性食道炎、ピロリ菌感染症といった良性疾患の診断・検査などに有効で、上部消化管(食道、胃・十二指腸)疾患の診断や治療に無くてはならない検査機器です。
胃内視鏡は、細いチューブで、食道、胃、および十二指腸の一部を観察します。先端には小型カメラが組み込まれており、胃の内部はテレビモニターを通して観察できます。
当クリニックは経鼻内視鏡、鎮静剤(眠くなる薬)を使用し、なるべく苦痛の少ない検査を心がけています。
検査前日・当日の注意点
検査前日
- 前日の夕食はなるべく早く済ませるようにしてください。
- アルコールは控えることが好ましいです。
- 遅くとも午後9時以降は飲食、服薬をしないようにしてください。
検査当日
- 検査が終わるまで、飲食は禁止です。
- うがいは構いません。
- たばこは吸わないでください(胃液が多くなり、検査や診断がしにくくなります)。
こんな症状に胃カメラ
(胃内視鏡)検査をお勧めします
- 上腹部の痛み
- 胃の不快感
- 胸焼け
- 吐き気、嘔吐
- バリウムによる胃の検査で異常を指摘された
- 胃潰瘍、十二指腸潰瘍になったことがある
- 萎縮性胃炎と言われている
- ピロリ菌陽性、ピロリ菌除菌後である
- 食道がん、胃がんを治療したことがある
- 胃がんになった家族がいる
など
※上記に該当しなくても、40歳以上の方は年に一度、胃内視鏡検査をお受けになるよう、お勧めいたします。
胃カメラ(胃内視鏡)
検査で発見される消化器系疾患
- 食道がん
- 胃がん
- 十二指腸がん
- 胃潰瘍
- 十二指腸潰瘍
- 急性胃炎
- 慢性胃炎
- 胃ポリープ
- 十二指腸ポリープ
- 逆流性食道炎
- ピロリ菌感染症
など
胃カメラ(胃内視鏡)
検査の流れ
1.検査前日

検査前日は夜8時頃までに夕食を済ませ、その後は食事を控えてください。水やお茶などの透明な飲み物は摂取可能ですが、牛乳やジュースは避けましょう。アルコールも控えてください。胃の中に食べ物が残っていると正確な検査ができないため、消化の良い食事を心がけてください。常用薬がある方は事前に医師へ相談してください。
また、検査当日までに問診票のご記入をお願いいたします。問診票では、アレルギーや既往歴、現在の症状について詳細にご記入いただきます。
2.検査当日の朝

検査当日の朝は絶食となります。水分補給は検査2時間前までに水またはお茶を少量としてください。常用薬の服用については、医師の指示に従いましょう。タバコやガムも胃の働きを刺激するため控えてください。また化粧品や香水の使用も控え、口紅などは落として来院してください。体調の変化があれば、必ずスタッフにお伝えください。
3.来院・受付

来院後は受付で検査の予約確認を行います。保険証や診察券、紹介状がある場合はお持ちください。ご不明点があれば受付スタッフへお気軽にお声かけください。受付が済みましたら待合室で順番をお待ちいただき、スタッフがご案内いたします。
4.検査準備

検査前に胃の中をきれいにするための薬(消泡剤)を飲みます。経口内視鏡の場合は、のどの麻酔を行い、必要に応じて鎮静剤(眠くなる注射)を使用します。鎮静剤を使うことで、苦痛の少ない検査が可能になります。鎮静剤を使用する際は、検査後の運転はできませんので公共交通機関の利用や送迎をおすすめします。準備が整い次第、検査室へご案内します。
5.検査

検査は5〜10分程度で終了します。ベッドに横になり、口または鼻から内視鏡を挿入します。鎮静剤を使用した場合はほとんど眠っているかうとうとした状態で検査が進み、不快感は最小限です。内視鏡で胃や食道、十二指腸を観察し、必要に応じて組織の一部を採取することもあります。検査中は医師とスタッフが常に状態を確認しながら安全に進めていきます。
6.リカバリー

検査後は30分~1時間ほど休憩していただきます。特に鎮静剤を使用した場合は、しばらく安静にしてからの帰宅となります。目が覚めた後もふらつきや眠気が残る場合がありますので、無理せずゆっくりお過ごしください。ご自宅に戻るまでは運転を控えてください。スタッフが体調の確認を行い、安全が確認できた後にご帰宅いただきます。
7.検査結果の説明

撮影した画像を見ながら医師が結果を説明いたします。今後の治療方針や必要な追加検査についても丁寧にご案内いたします。検査結果は、患者様一人ひとりに合わせてわかりやすく説明いたします。検査中に組織を採取した場合は、病理検査の結果が出るまでに約2週間強かかるため、後日改めて説明を行います。ご不明点や不安な点があれば遠慮なくご質問ください。
胃カメラ(胃内視鏡)検査の
よくある質問
- 胃カメラは苦しいですか?
- 当院では経鼻内視鏡や鎮静剤を用いた検査で、できる限り苦痛の少ない検査を行っています。多くの方が「思ったより楽だった」と感じられています。
- 経口と経鼻、どちらを選べばよいですか?
- 嘔吐反射が強い方には経鼻がおすすめです。ご希望や体調を踏まえて、医師とご相談ください。
- 検査はどのくらい時間がかかりますか?
- 検査そのものは5〜10分ほどで終わりますが、準備や休憩を含めて1〜2時間程度の滞在を見込んでください。
- 検査前日はどのように過ごせばいいですか?
- 前日の夕食は午後8時頃までに済ませてください。それ以降は食事を控え、水やお茶のみ可です。
- 検査当日は何も食べられませんか?
- はい。検査当日は朝食を摂らず、水のみ少量摂取可能です。ガムやタバコも控えてください。検査終了後1時間から、飲食が可能です。
- 常用薬は服用してもいいですか?
- お薬の種類によって異なります。高血圧などのお薬は通常服用していただきますが、糖尿病薬などは中止する場合もありますので、事前にご相談ください。
- 生理中でも胃カメラを受けられますか?
- はい、特に問題はありません。体調が安定していれば検査可能です。
- 妊娠中でも胃カメラ検査は受けられますか?
- 妊娠中は原則として検査を控えることが多いですが、緊急性が高い場合は可能な範囲で対応いたします。必ず事前にご相談ください。
- 鎮静剤を使うとどうなりますか?
- 鎮静剤を使用すると、ほとんど眠ったような状態かうとうとした状態で検査ができ、不安や苦痛が軽減されます。ただし当日の車の運転はできません。
- 検査後に気をつけることはありますか?
- 鎮静剤使用後は、数時間ぼんやりすることがありますので、無理をせず安静にお過ごしください。食事再開は医師の指示に従ってください。
- 食道や胃に異常があればその場でわかりますか?
- 多くの病変はその場で確認できます。必要に応じて組織を採取し、後日結果をお伝えします。
- 胃カメラでポリープが見つかったらどうなりますか?
- 良性の場合が多いですが、必要に応じて組織検査を行い、詳しく調べます。
- 組織検査をした場合、結果はいつわかりますか?
- 結果は通常3週間弱で出ます。再診時に医師よりご説明いたします。
- 保険は使えますか?
- はい、症状があって医師が必要と判断した場合、健康保険が適用されます。健診目的などでは自費になることもあります。
- 胃バリウム検査との違いは何ですか?
- 胃カメラは直接胃の粘膜を観察でき、より詳細な診断が可能です。必要な処置も同時に行える利点があります。
- 胃カメラを受ける頻度はどのくらいがよいですか?
- 症状やリスクによって異なりますが、一般的には1年に1回の検査が推奨されます。医師と相談して決めましょう。
- 検査後すぐに食事できますか?
- のどの麻酔が切れてから(通常1時間程度)飲食可能です。医師の指示に従ってください。
- 空腹で気分が悪くなりませんか?
- まれに低血糖や脱水で気分が悪くなることもあります。不調を感じたらすぐにスタッフにお知らせください。
- 初めての検査で不安です。大丈夫でしょうか?
- 初めての方にも丁寧にご案内いたします。不安を感じていることを遠慮なくお伝えください。鎮静剤もご検討いただけます。
- 検査費用はいくらくらいでしょうか?
- 鎮静剤使用の有無や、ヘリコバクターピロリの検査の有無で変わりますが、3割負担の場合でおおよそ1万円前後となります。